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小腸カプセル内視鏡について

小腸カプセル内視鏡とは

これまで小腸の病変診断は、従来の胃や大腸の内視鏡では届かないため検査ができず、小腸造影検査やCTなどのX線診断に頼らざるを得ませんでした。小腸は長らく「暗黒大陸」と呼ばれ、小腸疾患の診断・治療は消化器疾患の中でも後れをとっていましたが、平成13年にGiven Imaging者で開発された小腸カプセルの登場によって大きく変わりました。患者さんが約2cmの小腸カプセル内視鏡を飲むことにより、全長6~7mと長い小腸の粘膜を観察でき、その結果、今まで原因不明とされていた消化管出血や腹痛の診断が、患者さんへの負担なく簡便に行えるようになりました。平成19年10月から日本でも保険適用となりました。当院では今までは積極的に行っておりませんでしたが、平成24年に小腸検査・治療に精通した医師が赴任したことにより、カプセル内視鏡検査の設備を整え、平成25年10月より本格的に導入しましたのでお知らせいたします。

(図1)

このような患者さんが対象になります

原因不明の消化管出血(黒色便、血便、原因不明の貧血、繰り返す便潜血反応陽性)

従来の検査法である胃内視鏡検査や大腸内視鏡検査を行っても、出血の原因がわからない原因不明の消化管出血の場合が適応となります。

原因不明の腹痛、下痢などで小腸疾患が疑われる場合

カプセル内視鏡が実用化された当初、クローン病などの狭窄(腸が狭い状態)や通過障害(腸閉鎖等)が疑われる小腸疾患に対しては、カプセル内視鏡はその狭窄部に詰まってしまうことがあり禁忌とされていましたが、2012年7月に体内で崩壊し影響を与えないダミーカプセル(パンテシーカプセル)が保険適用となり、小腸疾患全般に対しカプセル検査が可能となりました。小腸の狭窄が疑われる方には、カプセル内視鏡を使用する前にこのダミーカプセルを飲んでいただき、約30時間後にダミーカプセルが肛門から出てくるかで、消化管が開通しているかの判定を行います(例:朝9時にカプセル内視鏡を内服、翌日午後3時に来院)。「開通している」と判断された場合はカプセル内視鏡の検査を行います。狭窄部がありカプセルが停滞した場合においても100時間~200時間以内にカプセルは自然崩壊します。

カプセル内視鏡検査の流れ

これまでの内視鏡検査では苦痛軽減のため鎮静剤や鎮痙剤などを前投薬していましたが、カプセル内視鏡検査は苦痛がなく、前投薬は必要ありません。
また、カプセル内視鏡を飲み込んだ後は、通常の仕事や家事など日常生活を行うことができ、患者さんの負担が大幅に軽減されます。

<前日>
検査前日は、検査用の食事または消化のよいものを摂取していただきます。

<当日>
1.当日は飲食をしないで朝に病院に来ていただきます(入院せず、外来で検査可能です)
2.腹部にデータレコーダー(小さな弁当箱大)を装着して準備完了です。

(図2)

3.カプセルを水と共に服用して検査開始となります。
4.カプセル内服して2時間後から飲水、4時間後からは食事が可能となります。
5.日中は自由行動で、どこへ行っても構いません。(激しい運動は避ける、MRIなどに近づかない)
6.検査開始から約8時間後(夕方)に再び来院していただき、レコーダーを回収して検査終了です。

<後日>
カプセル内視鏡は消化管の蠕動運動によって徐々に進みながら撮像を行い、最後は肛門より自然に排出されます。(排出されたカプセルは所定の回収バッグに入れ、地方自治体のルールに従い適切に廃棄してください。使い捨てであり、便と一緒にトイレに流れてしまうこともありますが、小さいのでトイレがつまることはまずありません。)
カプセルが排出されたか分からない場合は、腹部単純X線検査で確認します。2週間以上カプセルの排出が確認できない場合は、内視鏡で取り除くなどの処置が必要となります。
このカプセルは約8時間にわかり毎秒2コマのカラー写真を撮影し、電波で送信します。撮影した写真はデータレコーダーに記録され、それを後からコンピュータ画面で続映します。検査結果がわかるまでには数日かかります。

<その後の経過>
カプセル内視鏡検査にて病変が判明した場合、小腸内視鏡を使用して生検や治療などの処置を行います。

成績

カプセル内視鏡は消化管の動き(蠕動)で移動するため、観察場所を任意で決めておらず、小腸全体を観察できないこともあります。(全小腸観察率は70%~80%程度)。しかし小腸病変の診断に有用であり、その診断率は60%~70%といわれています(日本消化器病学会ホームページより引用)。

合併症、禁忌について

合併症として、カプセルが体外に排出されないことがあります。2週間以上排出されないことを「滞留」と言います。この場合、小腸内視鏡を用いて回収を試みますが、困難な場合や病態によっては開腹手術が必要になることがあります。このためカプセル内視鏡を施行の際は、これらの処置・手術の必要性までご理解していただくことが必要となります。
また、カプセル自体を飲み込めない方や、電気医療機器が埋め込まれている方には使用できません。

費用

カプセル内視鏡検査は外来検査で行った場合、本体の材料費と技術料(検査・診断料)を合計して94,200円となっています。保険適用内の利用では、3割負担の場合には28,200円です。

今後の展開

近年では欧米を中心に食道や大腸用のカプセル内視鏡も実用化されており、日本でも多くの医療機関で早期の実用化が待たれています。

小腸内視鏡をご希望の方へ

原因不明の消化管出血(黒色便、血便、原因不明の貧血、繰り返す便潜血反応陽性)、原因不明の腹痛、下痢などで小腸疾患が疑われる方は、一度消化器内科外来へ受診頂き、ご相談ください。

症例(図3)

小腸出血に対して施行したカプセル内視鏡、出血源のpolyp(矢印)を同定(図3左)後日小腸内視鏡で上部空腸に有茎性ポリープを確認(同右)

(図3)

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