外科

診療科の特色

当院は、日本外科学会指定関連施設、日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設、ならびに日本乳癌学会認定施設に指定され、消化器・一般外科および乳腺外科の診断と治療を行っております。地域に根ざした医療機関として、いわゆる「外科」で扱うほとんどの疾患に対応しております。具体的には、消化管全般(食道、胃、十二指腸、小腸・大腸)の疾患、肝臓・胆嚢・膵臓など実質臓器の疾患、乳腺の疾患などに加えて、急性虫垂炎や消化管穿孔など緊急手術を要する症例や、内視鏡的胃瘻造設、ヘルニア疾患(鼠径・大腿ヘルニアなど)、下肢静脈瘤、肛門疾患(痔核、肛門周囲膿瘍、痔瘻など)、体表の疾患(粉瘤、脂肪腫など)も扱っております。しかし、その中でも特に「癌」の治療に主軸をおいており、豊富な臨床経験や専門性を発揮できるスタッフ体制のもと、次の6点を柱として患者さん一人ひとりにとって最適な医療は何かを常に考え、実践しております。

  • 1. 安全で専門性の高い手術治療
  • 2. 適切な化学療法の提供(がん化学療法委員会でのレジメ審査・登録、通院治療室の整備と安全な通院化学療法の実践)
  • 3. 最良の緩和医療の実践(緩和ケアチームを主体としたカンファランスを通じた臨床実践)
  • 4. 手術・化学療法・緩和の全てを包含した治療方針の決定(消化器、乳腺を含む6領域のキャンサーボードを設立し、科・部の枠組みを超えたカンファランスに基づいた最適な治療選択の検討)
  • 5. 院内がん登録を機軸にした癌治療の統計解析
  • 6. 病診連携の協力体制の充実、この6点です。

下記にお示ししますように、年々、入院手術件数も癌の手術を主体に増加しており、なかでも大腸手術は120件と右肩上がりに増加しております。このような大腸癌治療症例の増加に加えて、上記に6つの柱としてお示しした癌診療を行う診療体系の確立を評価され、平成25年度、「東京都大腸がん診療連携協力病院」に認定されました。今後、消化器癌特に大腸癌においては、より質の高い医療を提供できるものと考えております。また、乳癌をはじめとした乳腺疾患に関しては、マンモグラフィ、超音波検査、MRIなどの新しい診断機器を用いて正確な診断を行い、乳房温存療法やセンチネルリンパ節生検などの縮小手術がより多く行えるように努めております。更に、適応によっては、胆石症などの胆嚢疾患では臍の創のみで行う単孔式腹腔鏡手術(SILS)、更に平成25年度からは急性虫垂炎に対しても腹腔鏡下虫垂切除術を導入しております。救急医療の分野においては、2次救急疾患には365日、24時間のオンコール体制で対応できるようにしております。

ページの先頭へ

診療方針

手術は勿論のこと、手術後の定期的な検査や加療を要する場合は、引き続き診させていただいており、癌の再発などをなるべく早期にとらえて、手術や抗癌剤治療など適切な治療を行うことができるようにしております。医療は日々進歩しており、積み重なるエビデンスに基づいてガイドラインの見直しや、標準治療の改変がなされています。時代遅れの医療をひきずることなく、現在の正当な医療水準を実践していくことが肝要です。そこで当科では、さまざまな学会活動や大学、地域関連医療機関との連携を通じながら、up to dateな情報を常に吸収し、患者さんにとって最適医療を提供していくことを常に念頭においております。さらには、本院の緩和医療チームとともに、緩和ケアについても熱心に取り組んでおり、手術のみでなく術後のフォローを含めたトータル医療の提供こそ我々の使命と考え、患者さんが安心して治療を受けていただくことができるように努力致しております。

ページの先頭へ

得意とする診療

・消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌、肝癌、胆道癌、膵癌)、乳癌の手術

適応症例には積極的に腹腔鏡を用いて小さな創で手術を行っております。

腹腔鏡補助大腸癌手術

腹腔鏡補助下大腸癌手術

・胆石手術

臍の創のみで行う単孔式腹腔鏡手術(SILS)を本格的に行っております

おへその創のみで行った胆石の手術

おへその創のみで行った胆石の手術

・急性虫垂炎、胃・十二指腸潰瘍穿孔、大腸穿孔などの救急手術

・ヘルニア(鼠径、大腿、腹壁瘢痕など)の手術 など

ページの先頭へ

こんな症状取り扱います

  • 食べものがつかえる
  • 腹痛やお腹のはり
  • 吐き気、食欲低下
  • 胸焼け
  • 背中が痛む
  • 下痢・便秘
  • 肛門から出血、黒色便
  • 便が細い、残便感
  • お腹のしこり
  • 黄疸
  • 貧血
  • 乳房腫瘤、痛み、分泌物
  • 足の血管が浮き出る
  • 足の付け根がふくらんでくる

ページの先頭へ

患者さまへ-「外科診療記録を利用したデータベースの後ろ向き解析」研究への協力のお願い-

外科では手術が治療の中心になりますが、手術ばかりでなく、手術後の定期的なフォローあるいは必要に応じた化学療法や放射線治療もおこなっております。患者さん一人ひとりに対して、最も適した治療法が何かを常に考え、十分わかりやすく説明し、患者さんが納得された上で治療を実践していきます。上に掲げました症状は代表的なものです。これ以外にも気になる症状があれば、何でも相談して下さい。

大森赤十字病院外科では消化管全般(食道、胃、十二指腸、小腸・大腸)の疾患、肝臓・胆嚢・膵臓など実質臓器の疾患に加え消化管出血、急性虫垂炎、消化管穿孔やイレウスなどの救急症例などを行っております。検査は、血液、尿検査、レントゲン検査はもとより、各疾患に応じた検査、上部・下部内視鏡検査やCT検査、MRI検査、PET検査など非常に多種の検査を行っており、これらの検査をもとに様々な治療を行っております。これらの診療は現代の医療水準下、多くのエビデンスの基に確立された標準治療を主として行っておりますが、今後の治療成績向上のためにはまだまだ多くの研究が必要とされています。その一つの方法として、今までの臨床データを解析して治療成績の検討を行う「後ろ向き研究」が重要です。
そこでこれまで受診された患者さんのこれまでのデータを解析するわけですが、具体的に対象となるデータは、カルテ内容、疾患名、治療・処置内容(投薬状況、検査記録、病理検査など)、各種検査結果(血液検査、尿検査、便検査など)、生理検査(心電図、心エコー、呼吸機能検査など)、超音波検査や放射線検査(X線検査、CT検査、MRI検査、血管造影検査、PET検査など)といった画像診断、内視鏡検査等々日常診療で施行され得られた臨床病理学的なデータです。
この研究は過去の診療記録を用いて行われますので、特に新たに検体を採取したりすることはありません。また現在や今後の診療内容には全く影響を与えません。解析にあたっては、個人情報は匿名化し、十分に個人情報は保護されます。学会や論文などの形で発表することもありますが、その際も個人が特定されないように致します。
この研究に関して不明な点がある場合やデータの使用を同意しない場合、以下にご連絡下さい。なお、本研究は、当院の倫理委員会の承認を得ております。また、この研究への参加をお断りになった場合にも、将来的に当科における診療、治療の面で不利益を被ることはありません。

 2015年7月1日
 連絡先
 大森赤十字病院外科部長 佐々木 愼
 電話:03-3775-3111

当院はNational Clinical Database(日本臨床データベース機構)に参加しています

診療実績

下記の表に示す通り、平成27年度の入院患者手術件数(外来手術は除く)は531件と昨年度と比較して38件増加しました。特徴的なのは、腹腔鏡手術症例の割合の増加です。もとより胆石手術は基本的に腹腔鏡下で手術を行なっており、胆石手術症例60例中44例(73.3%)が腹腔鏡手術です。近年は急性虫垂炎に対しても炎症の程度および患者さんの希望により保存的加療後に腹腔鏡下に虫垂手術を施行しております。平成27年度は急性虫垂炎手術症例65例のうち11例(16.9%)で待機的腹腔鏡下虫垂切除術を施行しました。更に胃がん、大腸癌においても腹腔鏡手術の適応を拡大し、胃癌では25%程度の症例で腹腔鏡手術を施行してます。大腸癌に対しては年々、腹腔鏡手術の割合は増加しており、平成27年度では結腸癌は48.1%、直腸癌に至っては81.3%で腹腔鏡手術を施行しています。腹腔鏡手術を施行した直腸癌手術の中には腹腔鏡下低位前方切除術8例、腹腔鏡下マイルズ手術3例を含みます。ただし何度の高い腹腔鏡手術は手術自体のリスクが高まるうえに手術時間も長時間に及ぶため、決して腹腔鏡手術にこだわることはありません。癌の状態、患者さんの状態、そして患者さんの希望など総合的に判断して、患者さん一人一人に最適な術式および治療法を選択するようにしております。



◆入院手術件数の年次推移◆

  H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度
食道癌手術 2件 0件 1件 0件 1件 1件  1件 
胃の手術 29件 48件 37件 28件 21件   34件  27件 
  胃悪性腫瘍 24件 40件 31(1)件 27件 19件 29(4)件 21(4)件
乳癌手術 24件 40件 45件 37件 39件 33件  37 件
胆石・胆道系手術 40(22)件 78(40)件 65(34)件 48(19)件 58(35)件 72 件 63 件
膵頭十二指腸切除 2件 3件 4件 2件 6件 3 件 1件 
小腸の手術 18件 21件 26件 20件 33件 35件  39件 
癒着性イレウス 5件 7件 10件 7件 11件 7 件 11 件
絞扼性イレウス 10件 12件 9件 7件 14件 17 件 19 件
小腸腫瘍 2件 0件 2件 0件 4件 4件   3件
大腸の手術 57件 97件 104件 115件 120件 117 件 93 件
  大腸癌 47件 87件 95件 102件 111件 107件  85 件
  ・結腸癌 29(5)件 59(13)件 61(12)件 65(8)件 77(11)件 76(13)件  64(26) 件
  ・直腸癌 18(1)件 28(0)件 34(1)件 37(1)件 34(1)件 31(6)件  21(13) 件
ヘルニア 48件 65件 93件 81件 99件 79 件 107 件
 ・鼠径ヘルニア 34件 56件 73件 69件 70件 69件  91件 
 ・大腿ヘルニア 8件 5件 2件 4件 6件 2件  4 件
 ・閉鎖孔ヘルニア 3件 2件 7件 0件 2件 1件  3 件
 ・腹壁瘢痕ヘルニア 2件 1件 6件 7件 13件 6件  9 件
 ・臍ヘルニア 1件 1件 5件 1件 6件 -
 ・結腸間膜窩ヘルニア 0件 0件 0件 0件 1件 -
 ・傍ストーマヘルニア 0件 0件 0件 0件 1件  - -
急性虫垂炎 30件 49件 67件 61件 66(7)件 65件 65 件
消化管穿孔 14件 13件 11件 18件 16件 21 件 14 件
 ・胃穿孔 3件 8件 4件 1件 2件 5件  5 件
 ・十二指腸穿孔 5件 0件 1件 5件 3件 4件 1 件
 ・小腸穿孔 0件 0件 1件 3件 2件 2件  3 件
 ・結腸穿孔 6件 5件 5件 8件 7件 6 件 3 件
 ・直腸穿孔 0件 0件 0件 1件 2件 4 件 1 件
 ・緊急手術 82件 114件 131件 139件 138件 126件  121 件
入院手術件数の総数 281件 443件 490件 456件 492件 493件 531 件

※( )内は腹腔鏡下手術

ページの先頭へ

◆入院手術件数の推移(H16年度~H25年度)◆

入院手術件数

◆定時手術と救急手術の割合(H21年度~H25年度)◆

入院手術件数

◆臓器別手術件数の推移◆

入院手術件数

◆手術合併症◆

入院手術件数

ページの先頭へ

学会・論文活動

受付時間 830分~1100
休診日 土曜日、日曜日、祝日、年末年始
夜間・休日の救急診療を行っています。