災害救護活動等について
災害救護
災害救護は、赤十字の使命に基づいた重要な活動のひとつであり、国の指定公共機関としての大きな役割を担っています。地震や台風など自然災害、また大きな火災や航空機事故、列車事故などが発生したときの被災者救護のため、全国では医師・看護師・事務職員等からなる救護班を約500班(約7000人)を編成しています。
災害が発生すると、当院でもただちに救護班を派遣し、被災現場や避難所での診察、こころのケア活動などを行います。
災害が発生すると、当院でもただちに救護班を派遣し、被災現場や避難所での診察、こころのケア活動などを行います。
当院職員が携わった災害救護活動
平成30年7月西日本豪雨被害への災害派遣
日赤災害医療コーディネーター/松本 賢芳
西日本豪雨について、2018年6月28日から7月8日までの総降水量が四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリを超えるところがあるなど、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となりました。その結果、死者224名、行方不明者8名、負傷者459名、住家全壊6,758棟、半壊10,878棟等と大きな被害を受けました。
日本赤十字社は、特に被害の大きかった広島県と岡山県に救護班を直ちに派遣して、医療救護活動にあたりました。
私も日赤災害医療コーディネーターとして、広島県庁の医療救護調整本部に派遣されました。業務は、本部の管理、県庁内での業務調整、各種関係機関との連携、医療救護班の調整や支援を行いました。毎日、目まぐるしく変化する状況の中で業務を行い、本部活動に従事しました。これで、災害医療コーディネーターとしては、3回目の派遣となりました。毎回異なる状況であり、医療救護の難しさを今回も痛感しました。
今後も、日本赤十字社の一員として、次なる災害に備えて、努力していく所存です。
日本赤十字社は、特に被害の大きかった広島県と岡山県に救護班を直ちに派遣して、医療救護活動にあたりました。
私も日赤災害医療コーディネーターとして、広島県庁の医療救護調整本部に派遣されました。業務は、本部の管理、県庁内での業務調整、各種関係機関との連携、医療救護班の調整や支援を行いました。毎日、目まぐるしく変化する状況の中で業務を行い、本部活動に従事しました。これで、災害医療コーディネーターとしては、3回目の派遣となりました。毎回異なる状況であり、医療救護の難しさを今回も痛感しました。
今後も、日本赤十字社の一員として、次なる災害に備えて、努力していく所存です。
これまでの災害救護活動(2000年以降)
年 | 災害 | 派遣員 |
---|---|---|
2000年 | 有珠山巡回診療 | 救護班1班派遣 |
2001~2004年 | 三宅島救護 | 救護班5班派遣 |
2000年 | 新島巡回診療 | 救護班1班派遣 |
2004年 | 新潟県中越地震 | 救護班5班派遣 |
2007年 | 新潟県中越沖地震 | 救護班1班派遣 |
2011年 | 東日本大震災 | 救護班15班派遣 評価班1班 |
2013年 | 伊豆大島台風26号災害 | 救護班2班 評価班1班 心のケア班1班 |
2015年 | 関東東北豪雨 | 日赤災害医療コーディネートチーム1班 |
2016年 | 熊本地震 | 日赤災害医療コーディネートチーム1班 |
救護班1班 | ||
2018年 | 平成30年7月豪雨(広島) 北海道胆振東部地震 |
日赤災害医療コーディネーター派遣 |
2020年 | ダイヤモンド・プリンセス号 (新型コロナウイルス対応) |
救護班1班派遣 |
2024年 | 能登半島地震 | 医師1名 看護師2名 日赤災害医療コーディネートチーム1班 救護班1班 こころのケア調整班 |
■ダウンロード資料
国際活動
当院は、日本赤十字社、日本赤十字東京都支部の要請により、紛争や災害、感染症で苦しむ人々を救うために、職員を現地に派遣し、国際活動を行っています。
国際活動は、紛争や災害で被害を受けた人々に緊急的な支援を行う国際救援と、災害等が起きたときの被害を少なくするための開発協力などを行っています。
国際活動は、紛争や災害で被害を受けた人々に緊急的な支援を行う国際救援と、災害等が起きたときの被害を少なくするための開発協力などを行っています。
当院職員が携わった国際救護活動
バングラデシュ南部避難民保健医療支援事業での保健要員としての活動
2017年8月にミャンマーのラカイン州で発生した暴力行為により、隣国バングラデシュ南部に70万人の避難民が流入、それ以前に同地に流入していた避難民20万人と合わせ、90万人が緊急の人道支援を必要としました。これを受けて、地元バングラデシュ赤新月社と国際赤十字・赤新月社連盟は救援を開始、日本赤十字社も2017年9月以降、基礎保健ERUを出動させました。緊急救援後も避難民問題の解決にはまだ相当の年月がかかると予想され、国際赤十字運動全体における支援動向を踏まえ、「長期滞留の様相を呈するバングラデシュ南部避難民及び地元コミュニティの自助や共助などレジリエンスの強化」を目的とする保健医療支援事業を開始しました。今回私は保健要員として、避難民キャンプ内のバングラデシュ赤新月社が運営する診療所の管理と、地域ボランティアが中心の保健活動の支援をおこなうため、2019年10月~2020年3月までバングラデシュ人民共和国にて活動をしました。 着任した頃は、避難生活が長期化していることにより、高血圧・糖尿病などの慢性疾患を抱える患者が多くなっていました。しかし、診療所では継続的な治療を受ける環境が十分に整備されていなかったため、現地医療スタッフやボランティアとミーティングを重ね、確実なフォローアップシステムを構築しました。地域ボランティアによる家庭訪問や、新たに作成したカルテを運用した診療を開始することにより、段々と継続的な治療ができるようになってきました。 慢性疾患のみならず、キャンプ内では衛生環境がまだ十分に整っていないため、しばしば感染症の発生もあります。また、雨季にはサイクロンの影響による水害被害も発生します。私たち保健要員は、保健医療の提供や衛生環境の向上だけでなく、災害対策等も行い、人々が安心・安全に生活できるようにその時々のニーズに沿った人道支援をおこないます。 日本赤十字社には5つの国際救援拠点病院があります。当院は非拠点病院ではありますが、看護部をはじめ、スタッフの温かい声援により救援活動をサポートしていただける環境があります。また、二次救急病院でもあるため、急性期から回復期まで携わることができ、通常看護業務の中でも国際救援に必要な看護基礎知識と技術を習得することができます。国際活動に興味のある看護師が一人でも多く当院で一緒に働けることを心待ちにしております。
看護師/木村 仁美
看護師/木村 仁美
慢性疾患患者の家庭訪問について
地域保健ボランティアへ説明をしている様子
慢性疾患患者専用のカルテについて
現地医師とミーティングをしている様子
できあがった慢性疾患患者専用の
カルテを用いて診療を開始
カルテの運用について
説明を受けている診療所のボランティア
新しいカルテを用いて診療を受けた患者さん
助産師の家庭訪問による妊産婦検診の様子
これまでの国際活動(2000年以降)
年 | 派遣地 | 目的 | 派遣者 |
---|---|---|---|
2003年 | ケニア共和国 | スーダン難民支援活動 | 看護師1名 |
2003年 | イラク | イラク紛争犠牲者医療支援調査 | 助産師1名 |
2004年 | アフガニスタン | アフガン紛争犠牲者医療支援 | 看護師1名 |
イラン・イスラム共和国 | イラン南東部地震被災者医療救援 | 助産師1名 | |
2005年 | インドネシア共和国 | スマトラ沖地震津波被災者救援 | 助産師1名 |
2013年 | ウガンダ | 母子健康事業 | 助産師1名 |
2019年 | バングラデシュ | バングラデシュ南部避難民保健医療支援事業 | 看護師1名 |
講習普及事業
当院では、みなさまが安全で健康な生活を営めるように、日本赤十字社東京都支部が行っている各種セミナー・講習会に講師を派遣しております。講師は当院のスタッフ又はこの地域在住の赤十字ボランティアです。
活動の紹介
■
救急法指導員から一言
救急法指導員、幼児安全法指導員
看護係長/友岡 道子
日本赤十字社の事業の一つに講習普及事業のうち、「救急法」と「幼児安全法」の指導員として活動しています。赤十字の看護師として病院や救護活動での経験を話し、参加者の方々の関心が深まるよう工夫しています。救急法は人工呼吸や心臓マッサージの印象が強いと思いますが、実践する機会に遭遇することは多くありません。私は、受講された方々が講習に参加された日から、病気やけがをしていそうな人を見かけた時に声を掛けて助けを求めるという行動をとれるようになっていただきたいと願い講習をすすめています。それは、「あらゆる状況下で人間の苦痛を予防し軽減する」という赤十字の基本原則である「人道」の普及であり、看護の心を伝えることにもつながると考えています。