病理診断科
診療科の特色
病院では患者さんの病状を把握し、治療方針を得るために色々な検査が行われます。すべての患者さんに対してではありませんが、診断を確定するために病変部の組織を小さく切り取って直接調べることがあります。特にがんの診断には欠かせないものです。これを「組織診」といいます。
病理診断科ではこの組織診のほかに、細胞を採取してこれをもとに病変を推定する「細胞診」も行います。組織診と細胞診をあわせて病理検査・病理診断とよびます。病理診断科の業務の中心は組織診と細胞診であると言えます。
組織診を専門とする病理専門医(日本病理学会)は、全国で約2,500名が活動しています。細胞診には約3,500名の細胞診専門医(日本臨床細胞学会)がおります。それぞれの専門医は学会の認定試験をパスした後も、5年毎に資格更新のためのチェックを受けています。
わが国では組織診を担当する病理医が圧倒的に不足しています。しかもその多くは大規模病院や大学医学部に勤務しています。大森赤十字病院のような市中の中規模病院の多くは常勤病理医をおけず、民間の検査会社に業務を委託しています。
このような状況下で、当院では病理診断科を設置し、常勤病理医による病理診断を行っております。診断のための病理標本作製は、国家資格をもつ臨床検査技師が担当し、細胞診検体のスクリーニングは学会認定資格をもつ細胞検査士が行っています。
病理診断科ではこの組織診のほかに、細胞を採取してこれをもとに病変を推定する「細胞診」も行います。組織診と細胞診をあわせて病理検査・病理診断とよびます。病理診断科の業務の中心は組織診と細胞診であると言えます。
組織診を専門とする病理専門医(日本病理学会)は、全国で約2,500名が活動しています。細胞診には約3,500名の細胞診専門医(日本臨床細胞学会)がおります。それぞれの専門医は学会の認定試験をパスした後も、5年毎に資格更新のためのチェックを受けています。
わが国では組織診を担当する病理医が圧倒的に不足しています。しかもその多くは大規模病院や大学医学部に勤務しています。大森赤十字病院のような市中の中規模病院の多くは常勤病理医をおけず、民間の検査会社に業務を委託しています。
このような状況下で、当院では病理診断科を設置し、常勤病理医による病理診断を行っております。診断のための病理標本作製は、国家資格をもつ臨床検査技師が担当し、細胞診検体のスクリーニングは学会認定資格をもつ細胞検査士が行っています。
病理診断はひとりの病理専門医が臨床全科の診断に自力のみで対応するのは容易ではありません。そのため、自分の専門領域以外の診断については別の専門医との連携が必要不可欠です。なお当科では、常勤病理医とは専門領域の重ならない都内有力病院の病理部長3名と医学部教授3名を非常勤医として招聘し、毎週1日ずつ来院しての診断をお願いしています。当科の病理診断を担当する医師団は、トータルとして際立った専門性と高い診断の能力を発揮できており、このグループの活動によって当科の組織診・細胞診および手術中の迅速診断が行われています。
このほかに、当科では病理解剖(剖検)も行います。実際の執刀から診断書作成などの一連の業務は、東邦大学医学部病理学講座の三上哲夫教授の指導のもと、同講座の医師が担当いたします。
このほかに、当科では病理解剖(剖検)も行います。実際の執刀から診断書作成などの一連の業務は、東邦大学医学部病理学講座の三上哲夫教授の指導のもと、同講座の医師が担当いたします。
診療内容
組織診
内視鏡生検などの小さな組織や手術などで摘出された組織・臓器から標本を作製し、病理専門医が顕微鏡で観察し、病変の良悪性や進行度などを診断します。病名診断と並行して病理標本を用いた免疫組織化学検査や遺伝子検査よるコンパニオン診断を行うこともでき、患者さん個人に適応するオーダーメイド医療の一翼を担っています。
術中迅速診断
手術中に採取された組織を凍結して標本を作製し、病理診断を速やかに執刀医へ報告を行う検査であり、正確性と迅速性が求められます。病変の良悪性やリンパ節転移の有無、手術断端への癌の浸潤の有無などを診断します。これらの診断により切除範囲の決定などの手術方針が決められます。
細胞診
子宮頸部などを擦過した検体や喀痰、尿、胸水や腹水などの液状の検体を用いて標本を作製します。膵臓などの深部臓器や乳腺などからは細い注射針を刺して検体を採取します。顕微鏡を用いて細胞の良悪性の判定を行い、病変の有無や病名を推定します。この作業はまず細胞検査士の資格を有する臨床検査技師が判定を行います。これをスクリーニングと言います。次に細胞診専門医が最終診断・報告を行います。(日本臨床細胞学会認定施設)
病理解剖
当院で亡くなられた患者さんの御遺体を解剖し、死因の特定や治療効果などを明らかにします。
最終的な報告書を作成したのち、病理医、臨床医などがそれぞれの立場から死因、病態などを検討する会である臨床-病理検討会(CPC)を年5回開催しています。CPCは今後の医療と医学教育の質の向上に大きく貢献しています。当院では年末に解剖慰霊祭を行い、御遺体を病理解剖に供された患者さんと御遺族の皆様に感謝の念を捧げています。
最終的な報告書を作成したのち、病理医、臨床医などがそれぞれの立場から死因、病態などを検討する会である臨床-病理検討会(CPC)を年5回開催しています。CPCは今後の医療と医学教育の質の向上に大きく貢献しています。当院では年末に解剖慰霊祭を行い、御遺体を病理解剖に供された患者さんと御遺族の皆様に感謝の念を捧げています。
診療実績
過去5年間の診断件数
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
組織診 | 4,208件 | 3,557件 | 3,350件 | 3,904件 | 3,663件 |
術中迅速診断 | 89件 | 40件 | 35件 | 37件 | 29件 |
細胞診 | 3,671件 | 3,172件 | 3,000件 | 3,107件 | 3,005件 |
病理解剖 | 11件 | 8件 | 8件 | 8件 | 1件 |
スタッフ紹介
常勤医師
役職 | 顧問 |
---|---|
氏名 | 坂本 穆彦(さかもと あつひこ) |
出身大学 | 東京医科歯科大学(1971年卒) |
専門分野 | 腫瘍病理診断学(特に甲状腺および内分泌領域・婦人科領域・前立腺および泌尿器科領域) 臨床細胞学(細胞診) |
学会認定医 専門医等 |
医学博士 病理専門医・研修指導医(日本病理学会) 細胞診専門医・教育研修指導医(日本臨床細胞学会) 国際細胞診専門医(国際細胞アカデミー) 福島県県民健康調査甲状腺検査部門 病理診断コンセンサス会議議長・福島県立医科大学特任教授 |
非常勤医師
勤務曜日 | 医師名 | 役職 | 所属 | 出身大学 |
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月 | 河内 洋 | 部長 | がん研究会有明病院 病理部 | 東京医科歯科大学 |
火 | 飯原 久仁子 | 客員教授 | 昭和大学江東豊洲病院 臨床病理診断科 | 浜松医科大学 |
水 | 高澤 豊 | 部長 | 虎の門病院 病理診断科・病理部 | 東京大学 |
水(不定期) | 泉 美貴 | 教授 | 昭和大学医学部 医学教育学講座 | 川崎医科大学 |
木 | 北川 昌伸 | 部長 | 新渡戸記念中野総合病院 病理診断科 | 東京医科歯科大学 |
金(隔週) | 根本 哲生 | 教授 | 昭和大学横浜市北部病院 臨床病理診断科 | 東邦大学 |
飯原 久仁子 | 客員教授 | 昭和大学江東豊洲病院 臨床病理診断科 | 浜松医科大学 |