乳腺外科
診療科の特色
当院では、乳腺専門医が、乳房のさまざまな症状(しこり、痛み、分泌など)や乳癌を中心とした乳腺疾患全般に対する診療を行っております。
女性の乳癌罹患数(乳癌であると診断される人の数)や乳癌罹患リスク(一生のうちに乳癌になる確率)は年々増加の一途をたどっています。
また、40歳から60歳に発見されることが多い乳癌ですが、近年は若年性乳癌や高齢者乳癌の患者さんも増え、『何歳でもなりうる癌』となってきました。
(詳細は『乳癌について』をご覧ください。)
一方で、乳房・乳腺に生じる疾患としては良性の疾患も多いのですが、自分自身で良性なのか悪性なのかを判断するのは困難です。今までにはなかった乳房の症状に気が付いたら、「これって乳癌!?」と1人で悩まず、また周囲の情報に流されず、まずは当科にて専門医にご相談ください。
女性の乳癌罹患数(乳癌であると診断される人の数)や乳癌罹患リスク(一生のうちに乳癌になる確率)は年々増加の一途をたどっています。
また、40歳から60歳に発見されることが多い乳癌ですが、近年は若年性乳癌や高齢者乳癌の患者さんも増え、『何歳でもなりうる癌』となってきました。
(詳細は『乳癌について』をご覧ください。)
一方で、乳房・乳腺に生じる疾患としては良性の疾患も多いのですが、自分自身で良性なのか悪性なのかを判断するのは困難です。今までにはなかった乳房の症状に気が付いたら、「これって乳癌!?」と1人で悩まず、また周囲の情報に流されず、まずは当科にて専門医にご相談ください。
乳腺の検査
1.問診
外来診察室で、症状や既往歴・家族歴などを伺います。
心配な事や気になっている事などがあれば、お話しください。(必要に応じて、視触診をさせて頂くこともあります。)
心配な事や気になっている事などがあれば、お話しください。(必要に応じて、視触診をさせて頂くこともあります。)
【乳癌好発部位】
一番多いのは上外側(わきの下側)です。
≪症状≫
≪既往歴≫
≪家族歴≫
- 『しこり(硬い、柔らかい、動く、動かない、大きさ、形など)』
- 『乳頭からの分泌物(透明、乳白色、茶褐色、黒色、血性など)』
- 『皮膚のひきつれ』 『皮膚のくぼみ(えくぼ状)』
- 『急激な左右差(大きさ、乳頭、乳輪など)』
- 『乳頭の陥没(生まれつき、最近)』
- 『皮膚炎症状(赤い、腫れている、熱をもっている、潰瘍など)』
≪既往歴≫
- 出産歴、授乳歴、閉経状態
- ホルモン補充療法や乳腺疾患の既往
- 放射線被ばく歴 など
≪家族歴≫
- 血のつながりがある家族・親戚の乳癌や卵巣癌
2.マンモグラフィー検査
乳腺専用のエックス線装置を使って撮影します。
◆放射線被爆について
エックス線検査ですので放射線被爆はありますが、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生はありません。乳癌を早く発見し命を救う利益と、被爆による危険(死亡リスク)を比較すると、検診による利益が、被爆による危険よりも約100倍大きいことがわかっています。
エックス線検査ですので放射線被爆はありますが、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生はありません。乳癌を早く発見し命を救う利益と、被爆による危険(死亡リスク)を比較すると、検診による利益が、被爆による危険よりも約100倍大きいことがわかっています。
3.乳房超音波(エコー)検査
検査室で、乳房や腋窩に超音波をあてて行う検査です。
放射線被爆や検査時の痛みなどはありません。
放射線被爆や検査時の痛みなどはありません。
4.病理学的検査
視触診・マンモグラフィー検査・超音波検査などで、必要があると判断された方には病理学的検査(細胞診 ・ 組織診)を行います。
『乳癌』などの最終的な診断は、病理学的診断により確定します。
≪病理学的検査の種類≫
『乳癌』などの最終的な診断は、病理学的診断により確定します。
≪病理学的検査の種類≫
- 細胞診(穿刺吸引細胞診:FNA)
- 組織診(コア針生検:CNB、吸引式生検:VAB など)
5.その他の検査
必要に応じて、CT検査やMRI検査などを行うこともあります。
乳腺外来で行う診察や検査に関しましては、その必要性や方法などについて必ず事前に ご説明させて頂きます。
不安な事やわからない事がある場合には、いつでも医師や看護師にご質問ください。
乳腺外来で行う診察や検査に関しましては、その必要性や方法などについて必ず事前に ご説明させて頂きます。
不安な事やわからない事がある場合には、いつでも医師や看護師にご質問ください。
疾患について
乳癌
その他の乳腺疾患
◆ 乳腺炎
乳腺に炎症や細菌感染を起こし、赤く腫れたり、痛みや熱をもった状態です。授乳期におこることでよく知られていますが、授乳とは関係なくおこる場合もあります。主な乳腺炎について下記に紹介します。
乳腺に炎症や細菌感染を起こし、赤く腫れたり、痛みや熱をもった状態です。授乳期におこることでよく知られていますが、授乳とは関係なくおこる場合もあります。主な乳腺炎について下記に紹介します。
- 急性うっ滞性乳腺炎(うつ乳) 授乳期に乳腺からの乳汁の流れが悪くなり、濃縮した乳汁の塊が乳管を閉塞し、その乳腺が腫れて痛い状態です。少し熱っぽく感じます。この時期であれば、授乳を続け、食事内容と十分な休養に注意をして生活し、適切な乳房マッサージや搾乳を行えば改善します。
- 急性化膿性乳腺炎 急性うっ滞性乳腺炎が悪化し、乳房の一部や全体が腫れて、痛み、皮膚の発赤、発熱を伴った状態です。乳頭から細菌がはいって感染を起こしていることが多く、発熱や乳房の発赤・疼痛を認めます。抗生物質や消炎剤で治療し、膿がひどくたまっている場合(乳房膿瘍)には皮膚を切開して膿を出します。
- 乳輪下膿瘍 乳頭から逆行した細菌によって感染を起こし、乳頭(乳輪)の下に膿が溜まってしまう状態です。陥没乳頭が原因であることが多く、抗生物質による治療や切開を行っても再発・再燃を繰り返しやすいのが特徴です。治りにくい場合には、外科的手術を行うこともあります。
- 肉芽腫性乳腺炎
◆ 乳腺症
月経周期や体調・年齢変化などによる女性ホルモンの変化(体内バランス)に反応した乳腺が一時的に張ったり、硬くなったりすることで、自覚症状としてしこりや痛み・違和感を感じる状態を『乳腺症』と呼ぶことがあります。
厳密には乳腺症は病気ではなく、生理的な変化の一環と考えられており、治療の必要はありません。
月経周期や体調・年齢変化などによる女性ホルモンの変化(体内バランス)に反応した乳腺が一時的に張ったり、硬くなったりすることで、自覚症状としてしこりや痛み・違和感を感じる状態を『乳腺症』と呼ぶことがあります。
厳密には乳腺症は病気ではなく、生理的な変化の一環と考えられており、治療の必要はありません。
◆ 線維腺腫
20~30歳代の比較的若い女性に見られる、良性腫瘍です。皮膚の上からでも境界がわかるような、触れるとコロコロと動くしこり(2~3cm以下)であることが多く、通常は治療の必要はありません。しかし、なかには3cmを超えて大きくなるものもあり、 この場合には葉状腫瘍である可能性や美容面を考慮して、摘出手術を行うこともあります。
20~30歳代の比較的若い女性に見られる、良性腫瘍です。皮膚の上からでも境界がわかるような、触れるとコロコロと動くしこり(2~3cm以下)であることが多く、通常は治療の必要はありません。しかし、なかには3cmを超えて大きくなるものもあり、 この場合には葉状腫瘍である可能性や美容面を考慮して、摘出手術を行うこともあります。
◆ 葉状腫瘍
乳腺の細胞から発生する乳癌と異なり、葉状腫瘍は乳管と乳管のあいだにある間質(かんしつ)の細胞が増殖して腫瘍となったもので、良性~悪性があります。しこりが急速に大きくなることがあるのが特徴ですが、超音波検査などの画像検査では線維腺腫とよく似ており、鑑別が難しい場合があります。多くの場合は良性ですが、悪性の場合は再発や他の臓器への転移の可能性があります。治療は手術による腫瘤の摘出が基本です。
乳腺の細胞から発生する乳癌と異なり、葉状腫瘍は乳管と乳管のあいだにある間質(かんしつ)の細胞が増殖して腫瘍となったもので、良性~悪性があります。しこりが急速に大きくなることがあるのが特徴ですが、超音波検査などの画像検査では線維腺腫とよく似ており、鑑別が難しい場合があります。多くの場合は良性ですが、悪性の場合は再発や他の臓器への転移の可能性があります。治療は手術による腫瘤の摘出が基本です。