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診療科・部門

脳神経外科



診療科の特色

脳神経外科では中枢神経系(脳、脊髄)に及んだ病気に対して診断、治療を行います。救急で扱うことの多い疾患である脳血管障害や頭部外傷などの診療は、日本赤十字社の看板を背負っている大森赤十字病院の使命として積極的に取り組んでいます。平成23年4月より携帯端末を用いた遠隔画像診断・治療補助システムを導入し、救急患者の診療がより迅速に行われるようになりました。また、診断機器においては平成29年9月に導入されたbiplaneDSA血管撮影装置をはじめ、MRI(1.5T 2台)、64列CT(perfeusion CT)、脳血流検査(SPECT)などを用いて、患者さんが納得でるよう症状の分析、診断、適切な治療を行っています。特に脳血管障害に関しては、平成19年に日本脳卒中学会認定研修教育病院になり、平成21年には東京都脳卒中急性期医療機関に認定されるとともに、日本脳卒中学会の定める一次脳卒中センター(PSC)にも認定され、超急性期の脳卒中治療に対してチームを作って取り組んでいます。
クモ膜下出血の原因の多くを占める脳動脈瘤については開頭クリッピング術とコイル塞栓術を選択して行います。未破裂脳動脈瘤の治療はコイル塞栓術を第一選択として行いますが、治療困難な症例に関しては慈恵医大脳血管内治療部とタイアップし行っております。虚血性脳血管障害に関しては脳神経外科、神経内科9名の医師が対応しており発症後4.5時間以に搬送された患者に対しては積極的にt-PA治療を行っております。4.5時間を越えた症例についても機械的血栓除去術が必要な場合、積極的に施行できる診療体制を整えております。
脊椎脊髄疾患に関しては頭蓋頸椎移行部から腰仙椎までの変性疾患、腫瘍性病変、脊椎外傷などほとんどの脊椎疾患に対応可能です。特に脊髄空洞症に関しては全国有数の経験を持つ医師が常駐しております。
一方、頭部外傷については急性頭蓋内出血の治療として開頭血腫除去を行っております。また外傷後、暫らくして発症する高齢者に多い慢性硬膜下血腫については穿頭血腫ドレナージ術を行っております。脳腫瘍については主に良性腫瘍の治療を行います。下垂体腫瘍に関しては内視鏡を用いた経鼻的摘出を行います。悪性脳腫瘍に関しては原則として集学的治療が可能な大学病院を紹介しております。
神経疾患ではリハビリテーションが重要です。当院の特徴として充実したリハビリテーションスタッフが挙げられます。週1回のリハビリカンファレンスを開催し個々の患者の早期回復に努め、さらに医療連携の充実を図りより効率的な急性期治療を目指しております。

診療方針

脳神経外科の病気というと、とかく複雑で理解しにくいと思われているのではないでしょうか?まずは、患者さんに病気のことを理解して頂くことが、最も大事なことだと考えます。その上で、医療者と患者さんが協力して治療を進めていくことが、最良の結果を生み出すことにつながります。
患者さんが、外来を受診されてから、入院、手術、退院となる流れの中には、様々なスタッフが関わっています。医師、看護師、リハビリ訓練士、薬剤師、検査技師、ソーシャルワーカーなどが、普段から情報を共有しながら、様々な場面で、適切な説明を行い、ご理解を頂いた上で、治療やケアを行っております。
また、地域の中核病院として、近隣の開業医の先生方ともコミュニケーションを取りながら、健やかに過ごせる地域社会を構築するべく努力をしております。

得意とする診療

脳血管障害(脳卒中)の急性期治療

脳卒中の中には、脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血が含まれます。これらの病気は、時に致死的となることもあり、適切なタイミングで診断、そして治療を行わなければなりません。救急車で搬送される患者さんに対応できるよう、24時間態勢で診療を行っております。
脳卒中の中には、緊急で手術を要する疾患も多く含まれます。最近では、カテーテル治療と呼ばれる、より負担の少ない手術も積極的に行われるようになっております。当院では、このようなカテーテル治療(脳血管内手術)のトレーニングを国内外で行っている医師が常駐しており、安全に治療をお受け頂くことができます。また、脳出血に対してもより侵襲の少ない内視鏡を用いた手術を行い、早期の離床、リハビリを図っています。

脳血管障害の予防的治療

内頸動脈狭窄症と呼ばれる、脳を栄養する血管の動脈硬化による狭まりは、放置することにより、重症の脳梗塞の原因となります。特に、高血圧や糖尿病、高脂血症といった、生活習慣病をお持ちの方、長期間にわたる喫煙の習慣のある方は、動脈硬化をきたしやすい状況にあります。脳ドックや、クリニックでの頸動脈の超音波検査などで、内頸動脈狭窄症を指摘された患者さんに対して、脳梗塞を予防する目的で、手術を行う場合があります。カテーテルによるステント治療のみならず、内膜剥離術という狭まりの原因となっている“プラーク”を取り除く治療も、積極的に行っております。
また、未破裂脳動脈瘤と呼ばれる、クモ膜下出血の原因となりうる病気に対しても、予防的に手術を行っています。クモ膜下出血は、発症すると3割近い患者さんが命を落としてしまう、非常に怖い病気です。このため、破裂する可能性が高いと予測される動脈瘤に対しては、精密検査を行い、安全に治療が行えると判断した場合は、積極的に治療をお勧めしています。治療の方法は、動脈瘤の大きさや、場所により、カテーテル治療ないしは開頭による治療を行っています。

脊椎脊髄疾患

脊椎は体の支柱となり体を支えていると同時に、脊椎の中に入っている脊髄を保護しています。脊髄は脳と同じくらい大切な神経組織です。したがって、脊椎脊髄疾患を治療するには運動器である脊椎と神経組織である脊髄の両方を扱う必要があります。当院では、整形外科と連携をとりながら脊髄の中にできる髄内腫瘍から脊椎の固定を必要とする手術まで幅広く対応しております。

脊髄空洞症

脊髄空洞症とは、様々な疾患が原因となり脊髄の中に水が溜まり、脊髄が「ちくわ」のような形になってしまう病気です。日本では10万人に数人と稀な病気であるため、専門としている脳外科医があまりおりませんが、当院には脊髄空洞症の治療経験が豊富な医師が常駐しております。専門外来も設けておりますので脊髄空洞症と診断された方はご相談ください。

脊椎圧迫骨折

脊椎の圧迫骨折は、高齢化社会において、様々な問題を引き起こす病気です。多くは、骨粗鬆症と呼ばれる、骨の密度が低下することが原因となり、ちょっとした転倒などを契機に発症します。腰痛が主な症状ですが、高度な腰痛のために起き上がることが困難となってしまい、そのまま寝たきりとなってしまうことも、少なくありません。
この痛みは、身体を動かす際などに、骨折した背骨が動くことにより、発生します。この背骨の動きを抑えるために、長期間の臥床安静やコルセットを巻いて、動かないようにする、というのが従来の治療法でした。しかし、近年BKP(Balloon Kyphoplasty)と呼ばれる、骨折している背骨にセメントを注入する方法を行うことで、速やかに腰痛を改善する手術が行われるようになってきました。これにより、患者さんを寝たきりの状態から開放して、生活の質を戻してあげることができます。
当院では、脳神経外科と整形外科の脊椎専門医が協力して治療を行っております。

脳腫瘍

脳にできる腫瘍は様々な種類があります。良性のもの、悪性のもの、両方の性格を持つものなど多岐にわたります。まずは適切な診断を行うことが重要です。診断を行った上で、治療法を選択いたします。集学的治療と呼ばれる、放射線治療や抗癌剤治療などを要する可能性が高い状態であった場合には、関連施設と連携して、治療を行っております。

頭部外傷

交通事故などで発生した重症頭部外傷から、軽症の頭部打撲まで様々な頭部外傷に対応いたします。救急隊の要請をできる限り応需し、緊急を要する患者さんに対しても適切に対応いたします。重傷頭部外傷後に高次脳機能障害と呼ばれる後遺症が近年注目されています。当院では、リハビリの専門のスタッフと協力して、可能な限り社会復帰出来るようにサポートしております。

こんな症状取り扱います

  • 頭痛
  • めまい
  • 視野が欠ける、だぶって見える
  • 顔面のしびれ、麻痺、痛みや痙攣
  • 意識障害、けいれん(癲癇)
  • 手足の麻痺、しびれ、ふるえ
  • 歩行がふらつく
  • 頭部の外傷、腫瘤
  • 頑固な痛み

患者さまへ

脳や脊髄などが病気になると重い症状がみられることが稀でありません。治療にあたっては病気を治すことはもとより、病気に伴って起こってくる心の問題など包括的に治療できるように努力いたします。また検査、治療を行う場合には十分にその内容を説明し、スタッフが一丸となって診療を行います。

外来日程表

スタッフ紹介

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