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診療科・部門

呼吸器外科



診療科の特色

呼吸器外科は、主に呼吸器系に生じた病気に対し、外科的な治療を行う科になります。

呼吸器外科の紹介
(外部サイトへ移動します)

呼吸器系とは?・・・呼吸を行う時に働く一連の臓器のことを指します。

  1. 肺、気管支、気管など
     空気の通り道や酸素・二酸化炭素の交換などを行う。
  2. 胸膜、横隔膜、肋骨、胸壁など
     肺などの臓器保護、肺の拡張・収縮などを行う。
  3. 縦隔(左右の肺と肺の間にはさまれた臓器)
     呼吸器系の臓器ではないものもあるが、一部、呼吸器外科で扱う。
     具体的には胸腺や心膜、縦隔にある神経・リンパ管などがある。縦隔にある心臓・大血管などは心臓血管外科、食道などは消化器外科で扱う臓器である。

呼吸器系に生じる病気には、主に以下のようなものがあります。

  1. 腫瘍が原因のもの
     肺がん、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍等
  2. 感染症が原因のもの
     炎症性肺疾患、膿胸等
  3. 胸膜の脆弱性が原因のもの
     自然気胸、肺のう胞等
  4. 外傷が原因のもの
     肋骨骨折、外傷性気胸、外傷性血胸等

 上記の中でも、当科では主に、肺がんや転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸、肺のう胞、炎症性肺疾患、急性膿胸等に対する外科治療(=手術)を行っています。手術は低侵襲をモットーとし積極的に完全胸腔鏡下で行っております。
 画像診断にも力を入れており、診断がついていない胸部異常陰影のみの段階での近隣医療機関からのご紹介も多数いただいております。呼吸器内科と連携をとって、その患者さん個人個人に合わせた最適な治療方法をご提供いたします。

 昨年、約60年ぶりに、肺癌の標準術式が改定になりました!肺癌の標準術式といえば、肺葉切除+縦隔リンパ節郭清術でしたが、肺野末梢で2㎝以下の病変に対しては、区域切除術も標準術式のひとつとなりました。当科では、胸壁を温存する完全胸腔鏡下手術だけでなく、肺を温存する区域切除術も積極的に行い、胸壁・肺の両面からの低侵襲性を追求しております。患者さんが手術を受けやすい環境を作ることにより、より早期の段階で早期治療を行い、肺癌治癒向上に貢献するのをモットーとしております。(2023年7月現在)

診療方針

 手術は積極的に完全胸腔鏡下で行っており、手術創が小さく、その数も少なくできるということは、術後の痛み等様々な点で患者さんにとって大きな利点となります。ですがそれ以上に重要なことは患者さんの安全性と治療の確実性であり、症例に応じて従来の標準開胸手術も行っております。いずれの場合も患者さんの安全を最優先に考えて手術適応を判断し、皆さんに納得していただけるよう十分な説明をさせていただきます。
 また、手術のみにこだわることなく個々の患者さんにとって最善の治療を提供できるよう、呼吸器内科をはじめとする他診療科や看護スタッフとの連携をこころがけております。 原発性肺がんに対する治療の3本柱は手術・薬物治療・放射線治療です。
 残念ながら当院には設備がないため放射線治療が必要とされる際には適切な他施設に紹介させていただくことになりますが、呼吸器内科との連携を密に取ることによって日々進歩している薬物治療も積極的に行っていただいております。

得意とする診療

  • 原発性肺がん・転移性肺腫瘍に対する胸腔鏡手術
  • 自然気胸に対する胸腔鏡手術

こんな症状取り扱います

  • 咳・痰・胸痛・高熱(胸膜炎、膿胸)
  • 胸痛・背部痛・肩部痛・呼吸困難感(自然気胸)
  • 血痰・かすれ声・肩部痛・呼吸困難感(肺がん)
  • 検診胸部異常陰影(肺がん、良性肺腫瘍、縦隔腫瘍)

当科の胸腔鏡下手術

 当科では一般的な3ポート、4ポートのマルチポートから、伝統のある二窓法、より低侵襲を追求した1 window & 1 port法など様々なアプローチ法を扱っているため、応用範囲が広いのが特徴です。
 2022年度は新体制1年目に124例の手術を施行し、コロナ禍の2021年度の31件から手術件数は飛躍的に回復。今まで最多であった2018年度の97件も上回りました。
 124例のうち118例(95%)を完全胸腔鏡下手術で行い、原発性肺悪性腫瘍は62例で内訳は肺葉切除23例、区域切除20例、部分切除19例でした。

(図1)
1window&1portのポートの位置

(写真1)
1window&1portの術中写真

当科における胸腔鏡下複雑区域切除術

 当科では、技術的に難しいとされている複雑区域切除術も胸腔鏡下で行っております。特に、下葉のS7,8,9,10など区域間が分かりづらい症例に対しても、右の写真のように3D-CTやICG静注+遠赤外線カメラ法など、最先端技術を駆使して積極的に手術を行っております。

(写真2)
3D-CT

(写真3)
ICG静注法(残すS8は染まり、取るS9との境界が分かる)

患者さまへ

 日本人の死因第1位はがんであり、中でも死亡率が最も高いのが肺がんです。年間7万人が肺がんで亡くなっています。その肺がんの確定的な原因の代表がタバコです。タバコだけが肺がんの原因というわけではありませんが、肺がん予防・治療において最も重要なことの1つが禁煙です。本来は既にタバコは吸っていないことが望ましいのですが、当科初診時に加熱式タバコ・電子タバコも含めてまだタバコを吸っている方には厳しく禁煙指導をさせていただいております。
 喫煙は肺がんをはじめとする悪性腫瘍の原因となるだけでなく、呼吸器・循環器疾患など多くの疾患の原因となり、さらには治療適応や治療経過にも悪影響を及ぼします。術後合併症や死亡率は喫煙者の方が有意に高く、禁煙せずに手術を行うことはありえません。手術以外の薬物治療においても同様であり、手術の有無を問わず、初診時に喫煙者への禁煙指導を徹底させていただいております。
 そしてもう1つ重要なことに早期発見があります。早期肺がんは無症状であることが多く、進行肺がんとなると手術単独では太刀打ちできなくなります。早期発見にはやはり検診が有用です。検診で胸部異常陰影を指摘されたら当科を受診してください。

肺がん検診におけるCT検査の重要性
(外部リンクへ移動します)

診療実績

2022年度は新体制1年目に124例の手術を施行し、コロナ禍の2021年度の31件から手術件数は飛躍的に回復。今まで最多であった2018年度の97件も上回りました。124例のうち118例(95%)を完全胸腔鏡下手術で行い、原発性肺悪性腫瘍は62例で内訳は肺葉切除23例、区域切除20例、部分切除19例でした。

過去5年間の呼吸器外科の手術件数の推移

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
常勤医1人当たりの手術件数 48 43 12 31 124
総手術件数 97 87 12 31 124
全身麻酔手術件数 95 85 11 29 124
 うち胸腔鏡下手術件数 89 80 10 27 118
 全麻手術件数に対する胸腔鏡下手術の比率 92% 92% 83% 87% 95%
(疾患別内訳)
原発性悪性肺腫瘍手術 39 25 4 14 62
良性肺腫瘍手術 5 3 0 1 3
 転移性肺腫瘍手術 4 7 0 1 6
 胸膜・胸壁腫瘍手術 0 0 0 2 1
 縦隔腫瘍手術(重症筋無力症合併例含む) 5 13 0 2 12
 炎症性肺疾患に対する手術 7 2 0 1 12
 膿胸に対する手術 6 3 1 1 4
 嚢胞性肺疾患手術 2 2 0 0 0
 特発性自然気胸に対する手術 11 20 2 6 11
 続発性自然気胸に対する手術 9 7 0 0 3
 その他(肺・リンパ節・胸膜生検含む) 9 6 5 3 10

年間総手術件数の推移

胸腔鏡下手術件数と割合の推移

原発性悪性肺腫瘍手術件数の推移

肺癌手術の術式の推移

2022年度疾患別手術内訳(総手術件数124例)

外来日程表

スタッフ紹介

関連リンク

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