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診療科・部門

当院の腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術について


当院では従来の「鼠径部を切ってヘルニアを処理する鼠径部切開法」に加えて
「腹腔鏡(内視鏡)を使用してお腹の中から修復する腹腔鏡下手術」も行っています。

鼠径ヘルニアとは?

加齢や立ち仕事、しゃがみ仕事を繰り返すことによって、太ももののつけ根(鼠径部)の筋肉の隙間が大きくなってしまい、おなかの中身が足側にぽっこり出てしまう病気です。俗に脱腸とも言われています。
この病気は中高年の男性に多く、男性の3~4人に1人が発症するよくある病気です。

鼠径ヘルニアの症状は?

□ 立ち上がったりお腹に力を入れると足の付け根が膨らむ
□ 膨らみやしこりは、体を横にしたり、手で押さえると元に戻ります
□ 通常は軽い痛みやつっぱり感が出る程度で、強い痛みはありません
□ 膨らんだまま元に戻らず、痛みや吐気・嘔吐を伴う状態(嵌頓(かんとん)状態)は緊急的な対応が必要になります

鼠径ヘルニアは、日常生活に支障が少ない病気であることから軽視されがちな病気です。
ただし自然に治ることはなく、また長期間放置をしているとふくらみは徐々に大きくなり、手術も難しくなります。また嵌頓(かんとん)という状態になると、脱出口で腸が締め付けられ血流が途絶えることにより腸の壊死に至ることがあるため、ひどい場合は緊急開腹手術で腸の切除が必要となることもあります。
そのため診察により鼠径ヘルニアと診断された場合は、明確な症状がなくても早めに治療を受けることをお勧めしています。
治療には、弱くなった隙間に医療用のメッシュを留置する手術が必要となります。

腹腔鏡下ヘルニア手術とは?

お腹に小さい穴をあけ、そこから手術用の内視鏡と細い鉗子を挿入し、お腹の中から鼠径部にメッシュ(網の目状の人工補強材)を留置する手術を行います。
傷はおへそと左右の下腹部の3箇所、5~10mm程度のものになります。

当院では、写真のポリプロピレン製のメッシュを用いています。

参照:株式会社メディコン

腹腔鏡下手術中の実例

お腹の中から鼠径部を確認すると、ふくらみの原因となっている筋肉の隙間(ヘルニア門)が確認されます。

腹膜の覆いをはがし、その下にメッシュを敷き込み、適切な位置に固定します。

最後にはがした腹膜を縫い閉じて、手術終了です。

この手術の長所は?

従来の鼠径部切開法と比べ、「傷が小さい」「痛みが軽い」「回復が早い」「早期社会復帰できる」といった点が期待できます。
ただし、全身麻酔が必要ですので手術の前日に入院が必要となります。
(従来の鼠径部切開法では当日午前入院で、下半身麻酔(腰椎麻酔)となります)

入院中の生活や退院はどうなるの?

 手術後数日はキズの痛みが多少あるので、適宜痛み止めを服用していただきます。
 術後数時間は全身麻酔の影響で眠っていますが、しっかり目が覚めたら水分を摂ることができ、翌日朝からは通常の食事を食べることが可能です。
 退院日については、キズや持病の具合にもよりますが、通常は手術の翌々日となります。
 ただしご自宅でも身の回りのケアができる方であれば、翌日の退院が可能な場合もあります。ご希望の方は担当医にご相談ください。
 退院後は、2週間程度のちに一度外来受診いただき、採血検査などで異常がなければ通院は終了となります。
ご希望の方は、半年、1年後に再チェックを行います。

外科スタッフより

 当院では、肺や心臓に大きな病気をお持ちで全身麻酔を避けたほうが良い方、下腹部の開腹手術などで強い癒着が想定される方を除き、腹腔鏡下の手術をお勧めしております。従来の鼠径部切開法に比べ術後疼痛や再発率が低い傾向にあることがその理由です。
 また総合病院の利点を生かし、安全性にも十分留意して治療を行います。
 具体的には、手術前に腹部CT、採血、心電図(必要に応じて心臓超音波検査も)、スパイロメトリー(肺機能検査)などを実施し、手術を受ける方の全身状態の評価を綿密に行うこととしておりますので、よりきめ細やかに安全に配慮した手術が可能です。また万一併存疾患の悪化などが見られた場合には、必要に応じて当該専門科医師と連携し、シームレスに診療を進めてまいります。

 どなたでも、気になる方はぜひ一度ご相談にいらしてください。
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