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診療科・部門

ロボット支援下胃がん手術


Da Vinci Xi Surgical Systemによるロボット支援下胃がん手術

 日本では、2018年4月に胃癌に対するロボット支援手術が保険適応となりました。
 当院におきましても、2024年10月よりロボット支援下胃がん手術を開始しております。

 ロボット(商品名DaVinci ダビンチ)のアームは、関節機能付きインストゥルメントによりヒトの手よりも曲がり、回転することができます。また、手ぶれの補正ができることにより、より安全に手術が行えるのではと考えられています。従来の一般的な腹腔鏡下手術よりも複雑で細やかな手術を可能としており、また3次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全かつ低侵襲な手術が可能となります。
(ロボットが自動的に手術をするわけではなく、ロボットアームを術者が“コンソール”と呼ばれる場所で操縦します。)

費用

 当院で行っている胃がんに対するロボット支援下手術は保険診療となります。
 保険診療では高額療養費制度*が利用できるため、実質の負担額は、所得区分にもよりますが多くの場合10万円程度となります(入院期間が月をまたがない場合)。
 但し、費用としては、保険診療費以外に、食事・個室代は別途必要になります。

  例)3割負担(高額療養費制度利用なし)の場合
  ロボット支援下胃切除術
   入院日数:10-14日  
   費用:約53-62万

*高額療養費制度を利用すると保険診療費としての自己負担額は、
◆70歳未満の方の場合
 所得区分ウ(標準報酬月額28万円~50万円の方、報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)で12万円程
◆70歳以上の方の場合
 一般所得者で8万円程

上記金額はおおよその目安です。
費用等は、入院期間や治療内容、年齢や年収、健康保険制度によって異なりますので、詳しくは医事課までお問い合わせください。

方法

 当院ではダビンチXiを用いてロボット支援下手術を行います。施行する手術内容としては開腹手術と比べて創の大きさは小さくなりますが(腹腔鏡手術とほぼ同等)、切除する胃の範囲などは変わりません。通常手術との違いは手術道具としてダビンチXiを使用することでより精密な手術が可能となります。

手術の担当

ダビンチ手術の認定ライセンス受けた医師が執刀し、ロボット手術チーム(看護師・ME)が担当します。

ロボット支援下手術のメリット

 腹腔鏡下胃切除では、従来の開腹手術と比較して、低侵襲、出血量の軽減、疼痛の軽減、術後の早期回復、といった利点がありました。
ロボット支援下胃がん手術は、これらに加えて以下のようなメリットがあるといわれています。

1. 術者の精度向上
 ロボット支援システムは手ぶれを抑え、3D高解像度の視覚情報を提供するため、術者の操作精度が向上します。開腹手術や腹腔鏡手術では届きにくい部位にも到達し、よりきれいに切除できる可能性があります。
2. 合併症のリスク低減
 ロボットの精密な操作によって、神経や血管などの重要な組織や、胃周囲の臓器へのダメージが最小限に抑えられ、合併症(例えば、膵液瘻など)のリスクが低くなる可能性があります。

da Vinci Xi Surgical System(ダビンチXi)の概要

 ダビンチは1990年代に米国で開発され、1999年よりIntuitive Surgical社から臨床用機器として販売された手術支援ロボットです。当院では最新のダビンチXiが導入されています。
 ダビンチは、「Patient-side Cart」、「Vision System」、「Surgeon Console」 の3つから構成されています。術者は「Surgeon Console」で3Dモニター画面を見ながらロボットアームを操作して手術を行います。
立体的な3Dモニター画像でのダビンチの手術は、限られた空間での精密な作業を正確に行うことにより低侵襲で確実な、機能温存に優れた手術を実現すること目指しています。
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