肝胆膵領域
ページ内目次
肝臓領域の診療のご紹介
このような症状を対象としています
- 脂肪肝(NASH)
- B型ウイルス性肝炎
- C型ウイルス性肝炎
- 急性肝障害
- その他の肝障害(自己免疫性肝炎)
- 原発性肝癌
- 転移性肝癌
研究・実績について
当院では平成12年12月に導入以来、平成30年12月までに、636人(のべ1440例)の患者さんに存在した2506病変に対して3991回のRFAを行いました。近年はC型肝炎の新規発症が減り、また根治できる薬が普及した影響で新規の患者さんや再発する患者さんが激減しその結果RFAの件数も減少しています。
胆膵領域の診療のご紹介
トピックス
2024年度 胆膵診療報告 ― 高度内視鏡診療の拡充と、胆膵疾患への包括的アプローチ ―
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はじめに
当院消化器内科では、胆膵疾患に対する専門的診療体制を強化し、2024年度は内視鏡診療の質・量ともに大きな飛躍を遂げました。ERCPやEUS-FNAに加え、EUS下胆道ドレナージも導入し、より複雑な症例への対応も可能となっています。
また、「黄疸ホットライン」や「すい臓ドック」など、地域医療機関との連携強化および予防医療にも力を入れており、胆膵診療の“入り口”としての機能も拡充しました。
また、「黄疸ホットライン」や「すい臓ドック」など、地域医療機関との連携強化および予防医療にも力を入れており、胆膵診療の“入り口”としての機能も拡充しました。
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内視鏡診療実績(年度比較)
手技 | 2023年度 | 2024年度 | 増加率 |
ERCP | 208件 | 359件 | 72.60% |
EUS | 200件 | 360件 | 80.00% |
EUS-FNA | 37件 | 59件 | 59.40% |
EUS胆道ドレナージ | ― | 3件 | 新規導入 |
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2024年度の主な取り組み
- 黄疸ホットライン(2024年6月〜)
- すい臓ドック(2024年11月〜)
MRI・血中腫瘍マーカーを組み合わせた多角的検査を2025年3月までに9件実施しています。
特にMRIについては、放射線科画像診断専門医と膵臓学会認定指導医による2重読影体制を整備しており、結果説明はすべて膵臓学会認定指導医が直接行います。
精度と信頼性を兼ね備えた質の高い検診体制を提供しています。
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当科胆膵診療の特徴
- 専門医による安全・確実な高度内視鏡診療(ERCP/EUS/EUS-FNA/EUS-BD)
- 鎮静下での快適な検査と合併症対策の徹底
- 消化器外科・放射線・病理・緩和ケア科との密な連携
- 予防・早期診断を支える「すい臓ドック」の制度化
- 紹介元との信頼関係を深める「黄疸ホットライン」運用
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今後の展望(2025年度以降)
2025年度より、肝胆膵外科の専門医が新たに常勤で赴任し、内科・外科が一体となった胆膵診療体制が始動しました。EUSを中心とした精密診断から、手術・化学療法までをシームレスに提供できる環境を整え、より包括的な胆膵医療を目指します。
また、引き続き「胆膵診療の地域拠点」としての役割を担い、2025年度も患者さんの早期発見・早期対応、紹介医との密な連携を推進してまいります。
また、引き続き「胆膵診療の地域拠点」としての役割を担い、2025年度も患者さんの早期発見・早期対応、紹介医との密な連携を推進してまいります。
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医療機関の皆さまへ
膵腫瘍、胆石などによる閉塞性黄疸、胆管炎などの緊急例では、黄疸ホットラインをご活用ください。
また、すい臓ドックはかかりつけ医のいらっしゃらない一般の方にも開放しており、検診後の診断・フォローアップ体制も万全です。
詳細は地域連携室または消化器内科外来まで、お気軽にお問い合わせください。
また、すい臓ドックはかかりつけ医のいらっしゃらない一般の方にも開放しており、検診後の診断・フォローアップ体制も万全です。
詳細は地域連携室または消化器内科外来まで、お気軽にお問い合わせください。
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「黄疸ホットライン」を導入しました!
緊急内視鏡治療の可能性が高い、「黄疸」の患者様に関しては、地域の先生方より直接に消化器内科担当医に電話を繋いでいただく体制を準備いたしました。
医療連携室(03-3775-3676)を介して「黄疸ホットライン」であることをお伝え頂き、消化器内科黄疸ホットライン担当医に直接診療のご依頼を頂けますので是非ご利用ください。
医療連携室(03-3775-3676)を介して「黄疸ホットライン」であることをお伝え頂き、消化器内科黄疸ホットライン担当医に直接診療のご依頼を頂けますので是非ご利用ください。
「緊急内視鏡治療が必要な黄疸=閉塞性黄疸」を示す疾患例
膵頭部癌
胆管癌
総胆管結石
膵頭部癌
胆管癌
総胆管結石
*上記黄疸ホットライン体制は平日8時半~17時までとなりますのでご了承ください。
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「膵臓ドック」を開始しました!
膵臓(すいぞう)癌は早期発見が難しく、発見されたときには非常に進行した状態であることが多い、きわめて予後不良の疾患です。「すい臓ドック」では膵臓癌の早期発見・早期治療につなげるためにMRI検査(MRCP)等を用いて膵臓癌のリスク因子である慢性膵炎や膵嚢胞、膵管の拡張などの所見を拾い上げることを目的としています。
≪すい臓ドックはこんな方にお勧めです≫
▶すい臓が心配だけれどもかかりつけの病院がなくどこで検査できるかわからない方
▶かかりつけの病院はあるけれどもすい臓癌発症リスク因子に該当するものがない方
≪すい臓ドックはこんな方にお勧めです≫
▶すい臓が心配だけれどもかかりつけの病院がなくどこで検査できるかわからない方
▶かかりつけの病院はあるけれどもすい臓癌発症リスク因子に該当するものがない方
検査項目 | |
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血液検査 | 白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマクリット値、血小板数 |
血液生化学検査 | アルブミン、尿素窒素、クレアチニン、アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼⅠ、総ビリルビン、直接ビリルビン、AST、ALT、r-GTP、ALP、LDH、グルコース、HbA1c |
腫瘍マーカー | CEA、CA19-9、DUPAN2 |
MRI/MRCP検査 | 強力な磁場と電波を用いて体内の水素原子の情報を収集し、それをもとに画像化する検査です MRIはすい臓自体を断層画像として描出します MRCPはすい管(すい液の通り道)や胆のう・胆管(胆汁の通り道)の評価を目的とする検査です |
MRI検査にて膵臓癌が確認できます(青矢印)
MRCP検査にて膵管の拡張(赤矢印)と膵嚢胞(黄矢印)が確認出来ます
概要
膵臓や胆道(胆のうや胆管)の病気の診療を行います。
膵臓は急性または慢性膵炎等の良性疾患から、膵癌に代表される悪性疾患があります。なかでも膵癌は男女ともに増加傾向にあり、5年生存率はすべてのがんのなかで最も低い(7−8%)悪性度の高い疾患です。
胆道は胆石症や急性胆嚢炎・胆管炎、胆のうポリープ等の良性疾患から、胆のうがんや胆管がん等の悪性疾患が挙げられます。
腹痛、背部痛、黄疸(肌や白目の部分が黄色くなる、褐色尿)、糖尿病コントロールの増悪、肝機能障害などの症状があれば胆道膵臓の精密検査をお勧めします。早期の病変では症状や検査に異常がでないことが多く、定期的なドック等の検診が重要です。
膵臓は急性または慢性膵炎等の良性疾患から、膵癌に代表される悪性疾患があります。なかでも膵癌は男女ともに増加傾向にあり、5年生存率はすべてのがんのなかで最も低い(7−8%)悪性度の高い疾患です。
胆道は胆石症や急性胆嚢炎・胆管炎、胆のうポリープ等の良性疾患から、胆のうがんや胆管がん等の悪性疾患が挙げられます。
腹痛、背部痛、黄疸(肌や白目の部分が黄色くなる、褐色尿)、糖尿病コントロールの増悪、肝機能障害などの症状があれば胆道膵臓の精密検査をお勧めします。早期の病変では症状や検査に異常がでないことが多く、定期的なドック等の検診が重要です。
当科の特徴
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精密検査によるがんの早期診断
膵癌や胆道癌は診断や治療が難しいことで知られています。当科では超音波検査、CT、MRI、超音波内視鏡検査(EUS)など複数の検査を組み合わせることで、病気の早期発見と治療成績の向上に努めております。
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がん専門病院との医療連携
膵がんや胆道がんなどの悪性の病気は高度な手術を行うことがあり、病状によってはがん専門病院(がん研有明病院、国立がんセンター中央病院など)での治療を提案することがあります。その場合はすみやかにご希望の医療機関への紹介を行っております。また、セカンドオピニオンも希望がある場合はすみやかに対応しておりますので、遠慮なくお申し付け下さい。
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胆道内視鏡治療
急性胆管炎に対しての緊急内視鏡治療や胆管結石の採石治療を積極的に行っています。高齢者の胆管結石治療はリハビリテーション科と連携し早期に退院できるよう努めております。
胆道,膵臓の臓器について
胆道 / 膵臓
主な対象疾患
膵臓がん / 膵のう胞(膵のう胞性腫瘍、IPMNなど ) / 胆のう炎 / 胆管炎 / 胆石症 / 胆のうポリープ / 胆道がん
胆道、膵臓の検査処置について
ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)関連処置 / 経皮経肝的胆のう・胆管ドレナージ術 / 超音波内視鏡検査関連処置